2021.09.18.No.621
「 ビーガンで 」
なな.
近頃お店で若い人を中心に「ビーガン対応でお願いします」と言われる方が増えてきた。ビーガンとは、ベジタリアンの中でも一番厳密に動物性の食品を避ける人たちのことだ。以前は女性ばかりだったが、このところ急に男性も増えてきた。
お水の会員さんにもマクロビオディックを取り入れて動物性の食品をとらない食生活をしていらっしゃる方も多いのだが、マクロビオティックは身土不二・一物全体食を理想とし、体のバランスをとるため必要な時には少量の動物性食品を口にすることもある。
対してビーガンは完全に動物性の物を摂らない食べ方のことを指す。ビーガンを選択するに至る理由は、動物を傷つけない生き方、環境を守りたいという思い、不健康な食品から自身の健康を守るため、アレルギーや疾患による選択、宗教上の理由など人それぞれ様々だ。
現在ビーガンの人口が最も多いのはアメリカで、2009年には人口の約1%だったのが、2019年には約6% 2000万人ほどまで増えている。健康のためにビーガンを選ぶ人が急増したと言われている。
オーガニック七菜は「野菜料理の店」と看板にうたっている。野菜を料理して出す店なので、動物性を一切使いませんというわけではないのだ。ベジタリアンでない人がいらしても美味しく食べてもらえることをモットーに、料理に変化を出すためや、旨味を加えるためにちりめんじゃこを使うし、味噌汁のだしはいりこで取っている。
今日も「ビーガンで」と言われれば、にっこりと「承知しました」と味噌汁を作り直す。この調子じゃビーガンレストランになりそうだ。
「 秋風に吹かれて 」
高 志
秋の風が心地良く感じるようになった。まだまだ陽射しは厳しいものがあるのだが、ちょっとその陽射しを避けると涼やかな風に身体を通り抜けていくのが、この上なく嬉しく思える。 真夏の炎天下では、陽射しを避けないとお水採りの作業が出来ないため、簡単テントを立てるようにしている。簡単テントとはいうものの、もう四半世紀も使いこんでおり、幾度も台風の脅威にさらされてきた重いスチール製のテントを立てるのは億劫になる。
だから、できれば立てたくないというのが本音であるのだが、厳しい陽射しの下や雨の場合は仕方が無い。梅雨から真夏へと立て続けた簡単テントも、ようやく出さずに済んだだけで秋の訪れを感じるというものだ。
作業の合間、宿泊施設である森のバスの中で風に吹かれていると、心地良さに包まれて、ついウトウトとしてしまう。夏の疲れが残っているのか、お昼前だというのに夢見心地だ。そのまま、まどろみに身を任せていたいという欲望に無理矢理ムチを打ち、どうにか作業に戻るのだが、う~ん何とももどかしい。
日中でこそ過ごしやすい水の里だが、日が傾くと一気に気温が下がり始める。まだ日によって気温差があるのだが、ある晩は真冬の支度をして眠りについたほどだ。さすがに布団の中に寝袋を入れはしなかったものの、間もなくストーブをつけることになりそうだ。
秋と言えば果物の季節。水の里からの帰り道、春先にイチゴを安く仕入れた物産店で特売の梨が無いか覗いていた。かつて、イチゴの幟がはためいた場所には梨やりんごの幟に置き換えられている。これは期待大だとワクワクしながら店を覗くと、豊水や紅月といった梨やりんごが並んでいるが思いのほか安くない。むしろ、スーパーで売っているものよりも高いくらいだ。
どうやら、福島、栃木においても天候不順の影響は大きいようで、今年は果物が不作らしい。ならば山のキノコはどうかと心配になるが、気温の低下の割には前回のお水採りの際とさして山の表情は変わらなかった。それこそ、真冬の支度をするほど冷え込んだのだから、紅葉が進んでいてもおかしくないのだが、木々の葉は青々としたままだった。
この時期になると、朝早くからキノコ狩りの車でいっぱいになる名所も、まだ車の姿が見られないほどだ。東北釣堀苑の若旦那・とも君に確認してみると、お客さんの中には『キノコがもう出ているぞ!?』と言う人もいるらしいが、どうやら怪しいということだった。実際、とも君自身も山を少し歩いてみたらしいのだが、雑キノコすら出ていなかったらしい。
まあ、キノコが出ている、出ていないというのは、所謂山師の言葉なので鵜呑みにしてはいけないというのが、山を歩くものの心得であり、要は自分の目で確かめるほかないということはわかっているつもりでも、ついつい気になってしまう。
それでも、以前ならまだ早いだろうなと思いながらも山へ繰り出し、空戻りするなんてことも日常茶飯事であったが、さすがに今では空戻りはつらい。もちろん収穫物が無くても山を歩くだけで気持ちが良いのだが、体力的にその反動も考慮せずにはいられない。
目の前には、伸び切った草々が広がっている。山へ行こうという気持ちにはならず、まずは草刈りだよなという思いに至った。草刈りとて、草刈り機が無く草刈り鎌しか無いのだから重労働なのは変わらない。付近の畦道はキレイに刈られているため、借りているこちらとしては見た目にも手入れしなければと思うのは当然のことだろう。
秋風に誘われた訳では無いのだろうが、東北釣堀苑は平日にもかかわらず賑わいを見せていた。お客さんが少ない時にしか出来ない作業があるので、困っちゃうんだよなと苦笑していた若旦那のとも君だが、満更でもない様子が秋の行楽シーズン到来を感じさてくれた
「 ミニマリスト・オフ会 」
マ ナ
ついに行ってきました、ミニマリスト・オフ会。
ミニマリストという言葉すらない時代からミニマリストを目指してきた。
なのに、いまだに実現できずにいる。夢の島の積もり積もった物たちと向き合うには、エネルギーがいる。
モチベーションを上げるために、YouTubeのミニマリストの動画をラジオ代わりに聴きながら、片付けている。
そんななかで、東京に住むミニマリストタケルさんのチャンネルを登録している。 毎朝、ラジオ形式の動画をアップしてくれている。30歳ということだが、謙虚で頭がよくて、核心をついたことをソフトな口調で話す。彼の声を聴いていると、気分よく、めんどうに思うことにも取り組める。そんな彼が、大阪でオフ会を開くというアナウンスが入った。こんな社会情勢のなかほんとうに開けるのかなと思いつつ申し込んだ。
どんな人が来るのだろうか、私が最年長かな、など思といつつ難波の会場になっているレストランの2階に行った。レトロなビルをリノベーションした会場はいいのだけど、階段が急で、股関節を痛めている私は手すりにしがみついいて上った。2階で黒い服を着た若い男の子が、「大丈夫ですか」と手を差し伸べてくれる。黒い服の男性が多いのは、スティーブ・ジョブズの『私服の制服化』を真似ているせいか。たまたま横にいた男性と話したら「僕は黒ジャケット2枚、白Tシャツ2枚、黒ボトム2枚で年中やってます」黒の上下の女性「肌着も含めて、速乾性のノーアイロンの物しか持っていません。あ、洗濯機も冷蔵庫も持っていません」共通点は、みなさん、デジタルに強い。CDや紙の本はない。便利なかさばらない物をソフト、ハードともによくご存じだ。物を減らしているだけではないんだ。Voicy だのnoteだのわからない言葉が飛び交う。
帰り道、私に歳が近い50代の女性ミニマリストで、YouTubeから発信している方が言う。
「まず、ガジェットを勉強したらいいですよ。YouTubeでもガジェットで検索したらいっぱい使い方が出てますよ」ガジェットって何?
「それと、物を減らす前に、いらないメールとか、配信停止にできるものはする。財布を整理する。まずは、そこからスタートです」
逆になぜ、ミニマリストになりたいのか聞かれた。
「えーと、すっきり暮らしたい。どうしてかって?うーん、迷いたくないから、だって疲れるでしょ。もう、考えたくないから…」
ミニマリストになるのが目的じゃない。 余計なことに頭を使わずに、ボーっとしたいから。
そうだったんだ。
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