No.615「フェイジョア」「恐るべし!!」「還暦!」「赤しそジュース」

2021.06.26.No.615

「 フェイジョア 」

なな.

  高校時代の友人のガーデナーに開店時の植栽をお願いした。おぼろげなイメージを伝えて後はお任せ。きっと説明をしてくれたのだと思うが、考えること決めることが山積している状態では上の空だったのだろう、何も覚えていない。大きな鉢には木を1本植えてくれた。「オリーブは高いからこちらにした」と言われたような気がする。 

 その年だったか翌年だったか直径2~3センチの小さな青い実を付けた。落ちた実を拾うとリンゴのような香りがする。食べてみると甘酸っぱくて美味しかった。 

 5月6月にはこんな花を咲かせる。昨年は花を見つけたお客様から名前を聞かれたが解らないと答えると、しばらくしてから「フェイジョア」という木だと教えに来てくれた。調べるとしっかり育てればもっと大きな実を付けるらしい。 水しかあげていないのに、今年はたくさんの花を咲かせてくれた。大きな実を付けてくれるように腐葉土でも入れるかな。楽しみだ。 


「 恐るべし!! 」        

高 志

  山の木々の葉が春の若葉から夏の濃い緑色に変わり始めると、水場には”ぶよ”が出始める。お水採りを始めた頃は、この”ぶよ”が何よりの天敵であった。お天道様が山に隠れると、途端に身体の周りを飛び始める。 

 今でこそレインブーツにレインスーツを履いて作業を行っているが、22年前の当時は若さに任せてビーチサンダルに半ズボンスタイルであったため、”ぶよ”にとっては格好の獲物が現れたのだから、『それ行け!!』とばかりにあちこち刺されたものだ。 

 それまで”ぶよ”に刺された記憶が無いほどだったから、免疫力など皆無であったのだろう。しばらくすると、刺されたふくらはぎがパンパンに腫れ上がり、熱と痛みと痒さが同時に襲ってきてひどい目にあったものだ。 その頃、同じように一緒にお水採りに行っていた”トラさん”が、”ぶよ”に刺されてもほとんど腫れもせず、まるで蚊に刺されたようであったのが不思議でならなかった。  

 そんなことを何度か繰り返すうちに、次第に免疫力が出来てきたのだろう。強烈な痒みはあるものの、最初の頃のような腫れや痛みは出なくなっていた。 

 そう言えば、僕が”ぶよ”に刺されても腫れなくなった頃、汐里が眉間を刺されて大きく腫れてしまい、別人のような顔になってしまった。確か小学校中学年くらいだったろうか。翌日は学校があったのだが、恥ずかしくて学校に行けないと休んでいたのが懐かしい。 

 そうして今回の事である。先述した通り、レインブーツにレインスーツを履いていても、首から上や二の腕から先は肌を露出している。そのわずかな場所を狙って”ぶよ”が襲ってくるわけだが、案の定作業をする上で比較的動きの少ない左腕の肘付近に3ヶ所刺されてしまった。 

 “ぶよ”に刺された箇所は血が滲むために明らかなのだが、ほぼ痒みがない。近い場所に 3ヶ所も刺されれば、それこそ大事に至りそうなものだが、免疫力とは凄いものだと改めて思い知らされることとなった。 

 免疫力の凄さを確認しながらお水採りをしていると、村おさ・長さんが郡山の自宅から息子夫婦とともに職場である東北釣堀苑にやって来た。今では、東北釣堀苑の経営を息子夫婦に任せているため、あまり顔を出さなくなったのだが、山菜やきのこの季節、繁忙期には顔を出す。  

 車から降りるなり僕に向かって山を指さし『ワラビ、出てんべ!?』ともうワラビ採りに行く気満々だ。しばらくして、息子のとも君が運転する軽トラックに背負い籠などを積み込むと、その荷台に飛び乗り、そのまま山へと行ってしまった。 

 もちろん、荷台に乗ったまま公道を走るなど道交法違反なのだが、村おさ・長さんにとってはそんな事は関係ない。それよりも、途中舗装面から砂利道へとなってしまうため、車の振動は相当なものだ。それを軽トラックの荷台でやり過ごすなど正気の沙汰ではない。 

 僕も昔はそうやって荷台に乗っていったものだが、その時でさえ相当足腰に負担を強いられた。舗装面なら荷台に腰をおろしてもいられるが、砂利道に入ると中腰になって振動を膝のクッションで受け止めないといられない。 

 それを齢85歳の村おさ・長さんがやってのけるのだから、ただただ驚くばかりだ。山に向かっておよそ3時間後。行きと同じように荷台に乗ったまま帰って来た村おさ・長さんが『いっぱい出ててたべ!!』と言って、自慢げに籠に山盛りになったワラビを見せてくれた。 

 村おさ・長さんと同年代の村人たちは、もう亡くなられているか介護者の補助を受けているというのに、何という元気っぷり。村おさ・長さんに会うと、『疲れた!』なんて言っていられないと、いつもながら自戒の念に駆られるのである。  


「 還暦!  」

 マナ

6月9日で60才になった。うれしい。一周回って、また始められると思うとウキウキする。 私という舟に乗ってここまで来られたことに感謝。 

そもそも、私という舟に乗れたことに感謝。 

もう、悪いことはしたくない。自分が好きでなくなるから。 

コスいこと、セコいこと、ズルいことをして、傷ついていたのは自分だったもん。 .自分を愛せなくなること、大事にできないことはしたくない。 

それを知らせてくれるために、七つの大罪やら地獄絵図があったんだ。 

この仕組みをもっと早くにわかっていたら、生き方も違っていただろうに。 仏教では「戒律は自分を守ってくれる」らしい。   

五戒は、不殺生、不偸盗、不邪淫、不妄語、不飲酒、だって。 

最初の不殺生と最後の不飲酒は無理だ。魚を食べてお酒を飲めなくなる。 

でも、分戒とか言って、一つ、二つでも守れるとそれでもいいという話を聞いた(ような気)がする。自分勝手に都合よく解釈しているだけかもしれないので、自信がないけど。 

 そして、ご縁と直感で生きて行こう。 

それで解決がつかないことは、サイコロで決めよう。これは、ほんとうにサイコロを振る。 

ダウジングより手っ取り早い。 

迷うのにエネルギーは使いたくない。さんざんやってきたから。 

そんな感じで、気楽にやっていきたい、今から。 


ラ・ラビアータたより

都会の子供に美味しい山の湧水を飲ませたい。1995年、友人の言葉をきっかけに、会員制で南会津の湧水を宅配し始めてから月2回のペースで発行を続けているLettela L'Arrabbiata/ラ・ラビアータたより。オーガニック七菜の日々がつづられている。水の里、キャンプ、イベント、出産/子育て、開店、ケータリング、料理…過去から現在まで、七菜の歴史である

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