No.614「今年も梅仕事」「もうすぐ1歳です」「底抜けの大はしゃぎ」

2021.06.12.No.614

「 今年も梅仕事 」 

なな.

 今年も梅の季節がやってきた。梅は仕入のタイミングが難しい。天候に左右され、生産者の方々も出荷日を明言できないからだ。ましてや「なるべく完熟で」とか「あまり大きくない方がいい」などと我儘な事を言うものだからなおさらだ。 

 だが、ひとたび梅が届けば店の中は別世界へと変わっていく。仕入れる梅の量が多いこともあって、店は梅の優しい香りで満たされる。私の大好きな季節。 

 お客様も入ってきて大きく息を吸い込んで「梅の香りだ~」と歓声を上げては、自身の梅の記憶をたどりながらひとしきり梅談議に花を咲かせている。 

 今年はそんな梅の季節がますます忙しくなった。以前から「梅の木がいっぱいあるから取りに来ていいわよ」と言ってくださっていた、大きな庭を持つお客様が「梅がたくさんなったからいらっしゃい」とわざわざ電話をかけてくださったのだ。伺ってみると本当にたくさんの梅の木があり、たくさん実をつけている。その日もそこそこ頂いたのだが、その後、まだあるからと毎日拾った梅を届けてくださったのだ。店も自宅も大量の梅ジュースを仕込み、梅干もたくさん漬けた。

  今年の夏は梅ジュースがたくさん飲めると娘が喜んでいる。店で毎日売れている梅干も、来年まで無くなる心配はいらなくなった。 梅が終わると赤紫蘇の季節がやってくる。 


「 もうすぐ1歳です 」       

高 志

  猫の”マコ”様が、もうすぐ1歳を迎えようとしている。毎日顔を合わせていると、成長度合いがわかりにくいものだが、子供たちが各々持つスマホの写真を確認すると、我が家に来た当初はこんなにも小さかったのかと驚かされる。 

 体つきはすっかり大人になった”マコ”様だが、もちろん中身はまだまだ子供だ。とにかく一緒に遊んでもらいたくて、それこそミャ~、ミャ~と猫なで声を上げてせがんでいる。一つ屋根の下に暮らす面々は憶えたらしく、比較的無防備な姿をさらしているが、それ以外の者が現れると途端に敵対行動を取り始める。しばらく時間が経過すると、いくらか警戒心を解くのだが、家族に甘えるような行動は一切とろうとしない。 

 そんな”マコ”様の最近のお気に入りは、家の外に出かけることだ。普段、2世帯住宅の2階で過ごしているのだが、外の様子が気になって、ベランダや窓から外をじ~っと窺っている。 

 その2階のベランダには、庭の松の木の枝が届いており、その枝を伝っていけばたやすく庭に降りられるのだが、決して枝へ移ろうとしない。 

 人間が玄関から出入りしているものだから、自分もそうするものだと思いこんでいるのかもしれないのだが、玄関以外からは頑なに出ようとしないのだ。 

 そしてある時から、玄関を出て外階段の踊り場まで降りることを憶えた。当初はそこまでが、彼女の聖域であったのだが、いつからか下まで降りることを覚え、遂には家の周りを探索することがお気に入りとなった。

  好奇心旺盛な”マコ”様は、我が家の周りを探索するだけにとどまらず、人の腰高くらいの柵で仕切られている隣家へとその歩みを伸ばしたのだが、ふと勝手が違うと思ったのか、一度行ったきりその後は我が家の敷地内を徘徊するにとどまっている。 

 まあ、もしかしたらこちらの確認していないところで、密かに敷地外を探索しているのかもしれないのだが、今のところはそういうことにしておこう。 

 さて困ったのは、玄関からしか出入りしないとなると、日中は不在になることが多い我が家の生活スタイルにおいて、万が一朝にバタバタしているとき、”マコ”様が玄関から飛び出してしまったら、その後誰かが帰宅するまで家の中に入れなくなるということだ。 

 家の中では、全くないとは言えないが、比較的トイレにおける楚々の少ない”マコ”様だが、1日中外に出たままで、隣家の庭で楚々でもしたら申し訳ない。 

 故に先述した通りベランダから松の木を伝って出入りすることを憶えてくれれば、そうした心配もなくなると目論んでいるのだが、なかなかこちらの思惑を察知してくれない。

  松の木がダメなら、ベランダから直接庭に降りられるように長い柱を斜めに掛けてはみたものの、その柱に触れることすら頑なに拒否をする。それなら、家の外に出なければ良いのだが、外への飽くなき好奇心は旺盛なようで、家族が玄関を出入りするたびにその隙を窺っている。 

 まあ、今のところは野良の血が騒いでどこか遠くへぴゅーっと出ていってしまう訳ではないようなので、最悪1日中外に居ても良いかと思ったりもするが、はてさてどうなることやら。 

 早期の梅雨入りなどどこの話だと言わんばかりに、夏を先取りした暑さが続いている。それに伴い、うちの”マコ”様は暑さが苦手なのか、涼しいところを見つけては腹這いになってグダ~っとしている。特に庭を探索した翌日は、グダ~っとしている事が多い。やはり外の刺激はかなりの体力を消耗させるらしい。 

 今後彼女の生活スタイルがどのように変化していくのか、まだまだ話題に事欠かないうちの”マコ”様である。 


「  底抜けの大はしゃぎ 」      

上田 隆 

 「運動会は無いのに、なんでオリンピックはやるのん?」 子供の疑問。 

 「アルマゲドン(世界の滅亡)ない限り五輪開催」 IOC老委員の発言。 

なんと傲慢・恥知らず。  

 気分がスカッとしない。三度目の緊急事態宣言が、さらに再延長となったのが大きい。マイナス要素にピントを合わすまい。と、思うがうまくいかない。こんな気分を振り切るように 

 「底抜けの大はしゃぎ、しようぜ」

  以前、友だちに送ったメールが実現できないでいる。 


  私は軽口、冗談が好きだ。それがマスク、仕切板でブレーキを掛けられて長い。どうやら、それが影響して調子に乗れない。 

  また、ノリがわるくなった。 

 

 「ジョーさん デイ・バッグ いる?」 

 「えっ? どうしたん?」

  「友だちが大断捨離したので 『処分する。よかったら、もらって』 だって」  「えーっ、丁度ジッパーが壊れて、どうしようか、思ってたとこやねん」


  ネットで見つけたデイ・バッグはびっくりの格安。正規品だってmade in China が当たり前なので飛びついた。ネット画面には、ラクダの絵柄とCAMELのロゴが写っている。てっきり、正規品の横流しだと思い込んだ。しかし、届いたのはまったくのバッタもんだった。しかし、堂々とそこまでやるか。やっぱりなぁ~。 

関西では「ぱちもん」 = 「ばちった(デザインや機能を盗んだ)物」 と呼ばれる。 

 「と、まあ、“安もん買いの銭失い” の見本や」 

 「アハハハ」 

 盛大に笑われる。 

 出してくれたのはエンジ色のデイ・バッグ。少し小ぶりだが、造りはしっかりしている。コイツはまったくの正規品や(失礼)

  こんな幸運が飛びこんできた。

ラ・ラビアータたより

都会の子供に美味しい山の湧水を飲ませたい。1995年、友人の言葉をきっかけに、会員制で南会津の湧水を宅配し始めてから月2回のペースで発行を続けているLettela L'Arrabbiata/ラ・ラビアータたより。オーガニック七菜の日々がつづられている。水の里、キャンプ、イベント、出産/子育て、開店、ケータリング、料理…過去から現在まで、七菜の歴史である

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