2020.07.11.No.590
おかげさまで湘南店が8 周年を迎えました。
オーガニック食材と南会津の天然水の仕事を始めて25年目、店を出してか らは世田谷店と合わせると12年になります。
世田谷店ができるまでのエレベーターの無い団 地の5階で宅配の野菜やお米の仕分けを行ったこと。 だんだんオーガニック弁当の依頼が増え、500人の party の仕事を機に店をopen。ロケ弁を手掛け、食にこだわりのある著名人の方々にもお弁当を食べて頂いたことは良い思い出です。
今年はコロナウィルスの影響で世界中が厳しい選択を迫られました。 私達も進退を迫られる状況に立たされました。ですが、 物販も行っていたため、皆様がお買物で支えてくだ さり本当に助かりました。この場を借りまして心より御礼申し上げます。
まだまだ厳しい状況は続くと思いますが,これからも皆様に喜んでいただけますよう努めてまいります。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
スタッフ一同
「 災害のもとで 」
高志
先週の月曜日だったか、『来週は梅雨明けか、宣言が出なくても夏のような蒸し暑い日が続く』という予報が、気象庁並びに気象予報士から出されていた。
ところが、太平洋高気圧の勢力が上がらないのと日本海側北部にも高気圧が停滞している影響で、梅雨前線は身動きができずに、またしても九州を中心に甚大なる被害を出すことになってしまった。そして、この気圧配置はこの先当分変わらない予報が出ている。
深すぎる爪痕を残して、早々なる梅雨明け宣言は出される事なく、平年並みに落ち着きそうだ。
甚大な被害が出ていないだけで、関東も相当に雨量が多い。もちろん大地が含む水分量も多くなっており、この先まとまった雨が降ったら災害に繋がってしまうレベルだそうだ。
新型コロナウィルス問題で、世界の経済活動がストップした間には、今まで大気汚染の影響で見ることが出来なかった都市部で、きれいな星空が広がっていたというニュースが流れていたが、そんな短期間の付け焼刃では、毎年のように被害をもたらしている豪雨災害を止めるには微力すぎたようだ。
豪雨災害に翻弄されるとともに、東京を中心とした新型コロナウィルス感染者が増え続けている。検査数が増えているだの、重症患者数が少ないなどと様々な理屈を付けて危機的状況ではないということを喧伝しているが、若者だから重症化しないわけではないし、無症状感染者や軽度な感染者ならば、余計に感染させやすいのではないかと思うのは無知ゆえだろうか。
経済を動かさないといけないのはわかるが、あまりのトーンダウンぶりに余計に怖くなってしまう。鎌田医師が言っていたが、もう元の生活には戻れないのだろう。バブル経済が吹っ飛び、もうバブル期のような踊る生活には戻れないようにである。
新しい生活様式としきりに言われるが、近現代史を紐解けば我が日本はこう言う局面を幾度も経験してきていることがわかる。柔軟な対応は若者たちにとっては苦もないことなのだろうが、やはり僕も含めた高齢者の方々がいかに対応できるかが問われているようだ。
そんななか、気圧のせいだろうか何だか気分がすぐれない。頭がボーっとしている。最近は気温の高さよりも、湿度の高さの方がつらいというのが口癖のようになっている。そう言う気は家庭内感染するのだろうか、奥様が偏頭痛で夕方まで起きてこられなかった。
水の里で東北釣堀苑を営む若旦那・とも君とよっちゃんも、腰の張りや肩ひじの張りで体調が悪いと渋い顔をしていた。非常事態宣言解除後、徐々に戻りつつあった客足だが、この雨と感染者の急増で少し足が遠のくのではないかという危惧と、身体がしんどい分助かるなという安堵感との間で揺れ動いていると苦笑していた。
夏場の豪雨災害と言えば、昔は水の里の専売特許みたいなものだった。那須の山々にぶつかって豪雨をうみ、水の里の沢の水は濁流と化した。その度に、村おさ・長さんとともに沢を上り、パイプの復旧に勤しんだものだ。
だから、場所は違えど豪雨災害に見舞われた光景を目にすると、他人事では無くなり絶句してしまう。水は怖い、でも水が無いと人は生きていけない。この世界はそうした、相反したもので成り立っている。
数ある豪雨被害を報じるニュースの中で、ひとつだけ目から鱗が落ちる思いだったのが、救助に関するものだった。被害に遭われた人が目の前にいたとして、まず真っ先にしなければならないことは、自らの命を守るための道具の確保であると。目の前で溺れている人がいても、浮遊物を確保できなければ、決して丸腰では助けに行ってはいけないと。ライフセーバーでも鉄則なのだから、素人なら尚更であると。その時、どれだけ冷静でいられるだろうか。
「 プール再開 」
上田 隆
6月1日 約二か月ぶりでプールが再開した。いつもは閉まっている玄関の大きなガラス戸は、左右に開け放たれている。換気対策なのだ。中に入ると床に足マークが描かれており、その先に三階受付のマネージャーが立っている。
「お久しぶりです」
「ホント、お久しぶりです。お互い、元気そうで何よりですね」
ピストル型の体温計を私のおでこに向けた。この動作には構えてしまう。仕方ないか。
「はい、OKです」
手を消毒して、エレベータで三階に上がる。受付カウンターはビニール・シートで仕切られている。
「えらい厳重になったなぁ~」
受付の三人の女性が笑った。ように見える。全員マスクをしているので、正確にはわからない。 「上田さん、お元気そうですね」
「みんなも。元気そうや、一人は新人さん?」
片手を上げるコがいる。気さくなコが入ったよう。
プールに行くと、常連たちの顔が見える。みんなが笑いかける、私も笑い返す。
「久しぶりやなぁ~」
「お互い、元気そうで何よりですね」
いいしおだ。顔は知っているが、挨拶まではしない人たちにも話しかけた。
「お久しぶりです。お互い、元気そうで何よりですね」
「ほんとですね」
相手も笑いを返してくれる。世の中全体の自粛ムードで重苦しい。久しぶりの会話で、大げさに言えば“人恋しさ”の気分。人との距離が縮まったようだ。
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