No.576「1年間ありがとうございました。」「珍客騒動」「時間は矢のごとく過ぎているのか」「AIのもたらすもの」「免疫力を上げる方法」

2019.12.21.No.576

「 1年間ありがとうございました 」

なな.

 今年最後の配達となりました。1年を振り返り、相変わらず心に余裕なく日々をなんとなくやり過ごしていた気がして反省しきりです。ひとつ挙げるなら幼児のお弁当を作り始めたことがビッグニュースといえるでしょう。このおかげでいろいろ調べて作ったことのないものにチャレンジし、簡単で美味しいく食べられるレシピにも出会いました。来年は少しずつ紹介しますね。良いお年をお迎えください。


「 珍客騒動 」

高 志 

 水の里へのお水採りでは、以前は12~3月までは雪との格闘であった。それがいつからか、12月中のお水採りで雪を見ることが無くなってきた。

 正月を迎えるためのしめ縄張りや、村人たちへの挨拶を終えて帰宅したのち、クリスマス寒波に寄って雪に埋もれるというのが、ここ最近の通例となったのである。

 今回も少しは雪への恐れを抱きつつ、天気予報や水の里付近のライブカメラをチェックして、雪が無いことを確認してから今年最後のお水採りへと向かった。

 宇都宮を越えた辺りで日が沈み、那須を過ぎた辺りから気温が急に下がり始め、午後8時過ぎに水の里へ到着した時には氷点下4℃を表示していた。

 案の定、翌朝には水場で厚い氷が張っており、いよいよ厳しい冬本番を迎えたと思ったのだが、次第に寒さが緩みだし、そこから翌日にかけて夜でも雨のまま雪にならなかったほどだった。

 さて、それは氷点下4℃を表示していた夜に起こった。最近は長時間ドライブで森のバスにたどりつくと、そのままバタンキューとばかりに布団で寝てしまう。この夜は最後の力を振り絞って、この冬初めて敷布団と掛け布団の間に寝袋を用意して潜り込んだ。

 そのままどのくらい眠っていたのだろうか買い物袋をガサガサと漁る音に目覚めたのだが、またネズミがいたずらをしているのだろうと決め込んで、そのまま眠ってしまった。

 翌朝確認をすると、別段変わりがないように思えてひと安心していたのだが、買ってきた品物を取り出しながら、朝食の準備を進めていたら買ったはずの総菜パンの姿が無いのに気が付いた。この時は袋に入れ忘れたのかと思い悔やんだのだが、続いて食パンも無いことに気が付き、これはネズミの仕業ではなく、ネコか狸の仕業ではないかと疑念を浮かべた。

 すぐさま外に出て、辺りに残骸がないか確認したところ、思った通りバスの下に総菜パンを入れていた紙のトレイが無残にも転がっていた。

 やられてしまったものは仕方がないので、簡単な朝食を済ませて今年最後のお水採りを始めたのだが、作業がひと段落してバスに戻ると、バスの中に茶寅の猫が鎮座していた。

 突然開いたバスの扉の音と、そこから現れた僕に驚きパニックになった茶寅の猫は、散々バスの中を駆け回ったあと、僕の脇を通り抜けて一目散に走り去っていった。

 何年か前にも同じようにバスの中に侵入した猫がおり、その時は買っておいた牛乳が餌食となったのだが、令和元年最後のお水採りでとんだ珍客の来訪を受けたのだが、これでしばらくはネズミも現れないことだろう。

 いやいや待てよ、来年はねずみ年だから、そうそう邪険にもしていられないか。ふと、娘の汐里が『この間ゆく年くる年を見た気がしたのに』とボソッとつぶやくから、おいおいその若さでと思わず突っ込んだのだが、こちらこそ『もう年末か~』という思いである。

 何だか今年を振り返ろうにも、それこそ記憶が怪しくなって来ているのもあるのだが、子供たちにはあれがあった、これがあったと色々思い出があるものの、こと自分のこととなるとはてさて一体何をしてきたかなと特段何も浮かんで来ない。

 それこそ、日々のルーティンを黙々とこなしてきただけではないのだろうかと、ちょっと不安になったりもする。これじゃいけないと、ちょっとは思ったのだから、来年はこのルーティンを壊してみようかと思う令和元年の年末である。

 今年も大変お世話になり、誠にありがとうございました。心から感謝します。

 来年もますます不安な世の中になるでしょうが、みんなで笑って過ごせるような素敵な1年にしましょう!!みなさんに良い年が訪れますように!!!


「 AIのもたらすもの 」

上田 隆 

 美空ひばりは30年前に亡くなった。享年52歳。私よりは13歳年上。初めて彼女を見たのは映画のスクリーンだった。小学校の高学年だった私を母が映画館に連れて行ってくれた。チャンバラ映画に交じって彼女の歌謡映画があったように記憶している。歌や音楽のなかった家庭環境だったせいか、あまり興味がなかった。

 高校生のころから音楽に興味がいきだした。クラシックに始まり、ジャズ、ロックが好きになった。 日本の歌謡曲には耳が向かなかった。それが、どうだろう、中年になって突然美空ひばりがしみ込んできた。 

 “ああ~、この人、ほんとうにうまいなぁ~” 

 まったく無縁だった感情が沸き上がってきた。恥ずかしいほどだった。歳のせい、歳のおかげと思った。

 先日、NHKで“AIでよみがえる美空ひばり”という番組を放送。没後30年で新曲を歌わせよう。

  ? どういうこと、可能なの? ひばり生前最後のシングル曲「川の流れのように」を手掛けた秋元康氏が作詞。残された美空ひばりの音源からAI(人工知能)が歌うというプロジェクトだそう。最終微調整は人間がやったが、神業の歌姫・美空ひばりがよみがえっていた。


 AIはどこまで進化するのだろう。無人兵器、無人爆撃機ももう存在している。SF映画の世界が現実になっている。

 ソフトバンクグループの孫正義社長からこんな発言があった。

 「日本の労働生産性はRPA(ロボットによるプロセス自動化)とAI(人工知能)で上がる。人間は(生まれた余剰時間で)創造性を発揮できるだろう。これが日本復活のシナリオだ」

 そうだろうか? 文明の進歩が人間を幸せにしているんだろうか? 足元が崩れているんですよ。 地球温暖化はもはや臨界点に達した。異常気象は止めようがない、後戻りができないと言う。必死でそれを止めることが一番の大事のはず。


 夢を見た。50年以上前、1960年代前半が舞台だった。斜め向かいに〈一休〉さんという食堂があった。そこの若奥さんが歩いて来た。 

 「タカシちゃん、電話よ、お父さんかお母さんを呼んで」

 電話のない我が家に呼び出し電話をしてくれている。その間、〈一休〉さんの電話は客からの注文が受けられないはず。いやな顔一つせず、呼び出し電話を告げに来てくれる。

 こんな夢を見るなんて、私はやはり化石人類のようだ。あんな時代に戻った方がいいと思っている。


 ここまで書いたが、どうも落ち着かない。書き過ぎなのか、書き足らずなのか。 北海道に住む40年来の友人からメールが来た。その中の一文。

 『気が付いたときには,太平洋戦争に突入していた といった過去の歴史を教訓にしなければ~!』

 その通りだと思った。


ラ・ラビアータたより

都会の子供に美味しい山の湧水を飲ませたい。1995年、友人の言葉をきっかけに、会員制で南会津の湧水を宅配し始めてから月2回のペースで発行を続けているLettela L'Arrabbiata/ラ・ラビアータたより。オーガニック七菜の日々がつづられている。水の里、キャンプ、イベント、出産/子育て、開店、ケータリング、料理…過去から現在まで、七菜の歴史である

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