No.582「14年ぶりのお雛様」「時は移ろい・・・」「フェイクニュース」

2020.03.21.No.582

「 14年ぶりのお雛様 」

なな.

昭和6年生まれの父より11歳年上のお姉さんのために祖父母が買い求めた雛人形。朝ドラの「おしん」の時代のことだ。山形から汽車に乗り東京まで買いに出てきたと聞いている。当時の祖父母の生活については詳しく知らないが、その後生まれた父が2歳の時には祖父は結核に罹り他界している。看病で祖母も結核をもらい入退院を繰り返し、数回の手術により命はとりとめたが、生涯寝たり起きたりの身体になってしまった。生活に困窮した祖母は知人の質屋に思い出のひな人形を預けお金に換えた。 祖母の死後、故郷の山形で仕事をする機会を得た父に、その質屋のおばさんが「預かったひな人形はまだ蔵にあるよ」と教えてくれたことから我が家にやってきたお雛様だ。 長い間蔵の中にしまわれていたお雛様。出してあげないと…と思いながら、忙しさを言い訳に、なんと13年も出さずにいた。父が元気なうちに見せてあげないと、と思い一念発起。父の家に持ち込み飾ってみた。父がうれしそうに、「よく飾る気になったねぇ」などと言いながら、ひな壇の前に座り昔話を始めた。 昨日の片付けにも娘2人と繰り出し、母娘3人の貴重な時間となった。


「 時は移ろい・・・ 」

高 志

 春の訪れが早かったせいか、しぶとい寒気団が最後のあがきをみせている。三寒四温といわれる冬から春への移り変わりだから、寒暖差が激しいのは理解できるのだが、大粒の雪が降った翌日にTシャツ1枚でも汗が出るような陽気では、さすがに身体がもたない。

 身体だけならまだしも、これが精神、心に支障をきたすようになってきているから厄介だ。そう、一向に終息の気配を見せない新型コロナウィルス問題で、心が疲弊してしまっている。

 なぜだろう。最大の問題はワクチンが無いことで、病院でも対処療法しかできない現状が不安をかきたてているのだが、その割には死亡者数がそれほど多くはない。特に、我が日本においては。でも、その我が日本において、なぜだか感染者が出たというニュースは速報で打つくせに、無事に治癒したというニュースはほとんどされない。治癒して抗体ができるほど、こんなに心強いものはないというのに。

 だからか、感染者に対する偏見が激しすぎるように思えて仕方がない。感染したって、軽症であったり、無症状であったりするということは、そもそも感染しているかどうかすらわからないというのに、感染を止めるなんて所詮無理な話なのに。

 そんななか、さすがに自粛疲れを癒そうとの思いからか、お彼岸の中日である3連休の初日、暖かな春の陽射しにも誘われて、どこもかしこも大渋滞であった。以前は配達で通っていた通りだが、数年前にルートの再編で通らなくなっていた通りを、久しぶりに通ってみた。

 その通りの一角には、しっかりと護岸対策がなされている川が流れ、その両岸には桜並木が立ち並び、この季節にはお花見の人たちで大賑わいになる。満開の頃も素晴らしいのだが、少し散り始め川面に花びらが散りばめられる光景もとても美しく、汐里が小さかった時や、伸がその頃の汐里の年齢になったときなど、お花見に行ったものだ。

 今回はまだ咲き始めたばかりで、全く咲いていない桜の木もあるほどだったからか、もしくは自粛ムードのせいなのか、その両岸にはあまり人の姿はみられなかった。

 そこから自宅へと向かう通り沿いの光景が、驚くほど様変わりしていた。何年ぶりだったかわからないほどだから、街並みが変わっていたとしても不思議なのではないのだろうが、住宅街の中にランドマークのように鎮座していたスーパーや、そこに付随するように立ち並んでいたパン屋やケーキ屋、美容院など全ての店舗や駐車場がすっかり更地になっており、再開発されるのを待っているようであった。

 なかでも、そこのパン屋はお気に入りで、配達の途中で小腹が空いた時などは、時折買いに行っていたので今回も楽しみにしていたのだが、そこの更地が以前にパン屋があったところかどうか、わからなくなってしまうほどの周辺の変わりように時代の流れを感じずにはいられなかった。

 さらにその先、少し高級そうな鰻の名店が、店構えはそのままに保育園に変わっていたのには、驚きというよりも衝撃的であった。

 送迎用のマイクロバスを用意するほど大きな鰻屋で、何度もその前を通るたび一度は入ってみたいなと思い、ついにその店に足を踏み入れた際には、和服を着た女将さんが出迎え、受付の横の大きな水槽の中に、様々な魚介類がいたのが印象的な、明らかに場違いと思えるほどの店だったものが、まさか保育園になっていようとは。

 前回のラ・ラビアータで記したが、水の里における十一面観音様のお堂の前の住居が消失していたのだが、今度はさらにその消失してしまった家の前に住むご主人が、亡くなられたそうだ。森のバスの前の田んぼで稲作をしていたご主人だ。

 何だか今年は、やけに時の移ろいを感じずにはいられない。まだ3ヶ月ほどなのだが。


「 フェイク・ニュース 」

上田 隆

2018年1月~11月の特殊詐欺の認知件数は約15,000件で、被害額は約320億円(警視庁発表) あの手この手を駆使した特殊詐欺被害は増える一方です。  私もついこの間フェイク・ニュースにまんまとやられました。みなさんのお役に立てればと思い、報告させていただきます。  2020年 2月 25日 下記メールを受信。差出人は信頼する先輩Nさん。

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以下はNさんメール 

 私の知り合いから、コロナウィルス対応がおくられてきたので、シェアします。 風邪との見分け方も書かれてます。ご参考までに 以下転送文です。(長文です) ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

【コロナウイルス対策の内容 】 病院に勤めてる看護師さんから流れて来たの転送します。 今回のウイルスは、熱に、弱いそうです。冷たい飲み物は、厳禁です。いつも温かい飲み物、ぬるま湯を持ち歩いてください。 武漢研究所に派遣されるクァク·グヨンの米国友人の文です。必ずたくさん伝達してください。 彼は無限肺炎ウイルスの研究を行っています。 たった今電話をかけて聞いたところ、一般的な風邪を引いた時は鼻水と痰があり、コロナウイルス肺炎は鼻水のない乾いた咳なので、風邪との違いが判るでしょう。これが最も簡単な識別方法だ。 このような医療知識についてもっと知れば、予防に役立ちます。 今回の武漢ウイルスは耐熱性がなく、26~27度の温度で死にます。そのためお湯をたくさん飲めば予防できます。 陽射しの下に行ってください。 冷たい水、特に氷水を飲まないでください。 お湯を飲むことはすべてのウイルスに効果的です。 ぜひ覚えてください。 

【コロナウイルスに対する医師の助言】

 (1)大きさが非常に大きく、(セルの直径は約400-500nm)、すべての一般マスク(N95の機能だけでなく)もこれをフィルタリングすることができます。 しかし感染した人があなたの前でくしゃみをすれば3メートル離れて気をつけてください。

 (2)ウイルスが金属の表面に落ちれば、12時間以上生存します。 金属に触れた場合は石鹸で手を洗ってください。

 (3)ウイルスは服で6~12時間活性化状態を維持することができます。 洗濯洗剤はウイルスを殺します。 毎日洗う必要のない冬服の場合、太陽の下に置いてもウイルスを殺すことができます。 

【コロナウイルスによる肺炎の症状】

 (1)喉を先に感染させ、喉への感染は3~4日間持続され、咽頭が乾燥した感じを持つようになります。 

(2)それけらウイルスがコエクに混合され、気管に流れて、肺に流れ、肺炎を起こします。 この過程は5~6日が掛かります。 

(3)肺炎で高熱と呼吸困難が発生します。 鼻腔からの呼吸困難は一般的なものと異なります。 おぼれたように息苦しくなるでしょう。 こんな感じなら、すぐに医師の診察を受けてください。 

【予防について】

 (1)感染される最も一般的な方法は物に触ることなので、手をよく洗わなければなりません。目をこすったり、意図しないのに鼻を触ったりしています。

 (2)手をよく洗うことのほかにもBetadine Sore Throat Gargleでうがいをして、喉にウイルスがいる間に細菌を除去したり、最小化することができます。またお湯を飲むことを予防になります。 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

  英語の訳だからなのか、意味の通じにくいところは私の独断と偏見で少し修正させてもらいました。 

元々冷たい水は夏でも飲まない私ですが、最近はお白湯か、温かな紅茶を飲む事が多いです(^^) 

この文章は先ほどいただいたばかりなので、知らないうちに利にかなった事をしていたとホッとしています!! 

《皆さんもやった方が良いですよo(^o^)o》

ちょうど乾燥している冬は知らないうちに喉が渇いているものです。 皆さんの水分補給とコロナウイルス感染予防になれば、幸いです。

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Nさんメール 終わり 


 私は メール冒頭に“友人各位様” として、85名に転送信した。日頃、ご無沙汰の方々にも。

 その日の夕方、Nさんからメール入電。

 『友人からの朝のメールに何の疑問も抱かずにおくりましたが、どうやらデマかもという情報が来ました。 申し訳ありませんでした。』


 さらに夜分遅く、先輩Kさんからもメール入電。 『上田さん:この情報は、他のルートからも私の所に届いていますが、フェイクニュースだという話も伝わっています。ヒトの体温は平熱で36度以上あるので、もし新コロナウィルスが27、28度で死ぬのなら、問題ないはずです。私は、ネットで 伝わってくる情報は鵜呑みに出来ないと思っています。』


 翌日、私はお詫びメールを送信した。BSニュースもこのフェイク・ニュースを取り上げる。

 友人からの返信。 

・全くのデマでもなく当たっているところもありました。 

・フェイクニュースとはいえ、いい事を言っている部分もあるので、いいとこ取りしましょう。 

 などなど、おおむねやさしい返事をいただきました。


 しかし、やさしさに甘えるわけにはいきません。なぜ、引っかかったのか、考えた。 

原因㈠:発信者が信頼するNさん、熱いハートのNさんだったので、不信感がなかった。

原因㈡:自身で内容を検証しなかった。上記原因㈠に由来。検索・検証すべきでした。 

原因㈢:コロナウイルスは感染爆発状態。一刻も早く情報をお伝えしなくてはとあせった。 


あれっ? これって詐欺被害に遭う人の心理じゃないのか?  


ラ・ラビアータたより

都会の子供に美味しい山の湧水を飲ませたい。1995年、友人の言葉をきっかけに、会員制で南会津の湧水を宅配し始めてから月2回のペースで発行を続けているLettela L'Arrabbiata/ラ・ラビアータたより。オーガニック七菜の日々がつづられている。水の里、キャンプ、イベント、出産/子育て、開店、ケータリング、料理…過去から現在まで、七菜の歴史である

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